近傍電磁界を用いた非接触金属クラック検出
研究者 増田 浩太郎
 配管・機械・建造物などは長年の使用による劣化や外的要因などからクラック(亀裂)を生じることがある。そこで、金属面に発生したクラックにアンテナから電磁波を放射し、クラックの影響で変化した入力インピーダンスを測定することで検出を行う。また、アンテナとクラックとの向き(方向)に着目し、アンテナとクラックの向きに関係無くクラックを検出することを目的とする。下に実験の概略図を示す。



 アンテナはループアンテナとダイポールアンテナを使い、アンテナとクラックの関係は下のようにした。



次に、実験結果を示す。


 垂直の場合には、ループアンテナ、ダイポールアンテナともにクラックに近付くにつれて入力インピーダンスが変化している。
 平行の場合には、ダイポールアンテナではクラックに関係無くほとんど変化していないが、ループアンテナでは垂直に比べ変化量は小さいが、クラックに近付くにつれて対称性をもって入力インピーダンスが変化していることから、クラックを検出できているといえる。

 シミュレーションも用いて斜めなどの検証も行っている。