FDTD法に集中定数理論を適用した電磁界解析 |
研究者 加藤 英晃 |
現在ワタシが行っている研究はタイトルにあるように[FDTD法に集中定数理論を適用した電磁界解析]です。どういうことかといいますと、集中定数回路というのはいわゆる授業などでよく扱われている電気回路のことであり、集中定数素子として抵抗,コンデンサ,コイル,ダイオードなどが挙げられます。要するに回路やアンテナにこのような集中定数素子が組み込まれたときに、電磁界がどのようになるかというのをFDTD法を用いて解析するわけです。また、FDTD法については他の人がたくさん書いていてくれているので省略します。
その中でワタシは[共振回路のシミュレーション]を行っています。具体的には[トラップアンテナ]の解析というものを行っています。トラップとは下の図にあるようにコイルとコンデンサの並列回路のことです。コイルとコンデンサが組み込まれている回路では、いわゆる共振が起こります。通常は1つのアンテナで1つのバンドしか使用できませんが、このからくりを利用すると、1つのアンテナで複数のバンドで使用できるようになります。ここでは例として7MHz/14MHzの2バンドを想定しています。
この指向性を解析したものがこちらになります。
半波長ダイポールアンテナ
2素子八木-宇田アンテナ
指向性を見るとトラップが入っているほうはちゃんと14MHzで共振していることが分かります。
現在のところはこのようにトラップがきちんと作用しているのかどうかの検証段階ですので、これからより詳細な解析を行っていく予定です。